「まーた二人で仲良く喧嘩してるの?」
盛大なため息を吐きそうになったけれど、ふと後方から聞こえてきた声に足を止める。
霧谷とほぼ同じタイミングで振り返ると、ウェーブがかった長い髪を揺らしながら、これまたリーダー格と呼ぶにふさわしいほど化粧をバッチリと決めている女子が私の目の前にやってきた。
「これが仲良さそうに見えるのか?どう考えても嫌われてるだろ俺」
「えっ、嫌われてる自覚あるのに話しかけるって、中々バカじゃないのあんた」
「沙良にバカとは言われたくないな」
「うわっ、サイテー。乙女を貶すとか有り得ない」
霧谷は沙良と呼び捨てにした女子と仲良さそうに話していた。いや、仲良さそうには見えないけれど、親しい間柄であることはわかる。
ここは関わらないようにひっそりと席に行こうと思ったけれど、呼び止められてしまった。



