愛恋のキス




「きっと瑞樹にとって特別に感じるものがあったんだろうね。まさかここまでしつこく絡むとは思ってなかったけど」


 それはごめんねと謝られるけれど、西山くんは何も悪くないのだ。謝らないでほしい。

 むしろ謝罪なら霧谷の口から聞きたいものだ。


「もう西山くんは謝らなくていいから!西山くんは何も悪くないし、それにずっと引きずってても良いことないから」


 気にしてませんよとアピールをしておきながら、ずっと根に持っているのだけれど。

 せめて西山くんの前では平気なフリをする。


「……ありがとう」
「むしろお礼を言いたいのは私の方だよ!昨日は助けてくれてありがとう」

「ううん、気にしないで。他校の生徒に絡まれて災難だったね」

「本当だよ。中々しつこそうだったから、西山くんが来てくれて良かった」


 無意識のうちに霧谷の名前を口にしなかったが、気にしていると思われないだろうかと不安になった。