「やっぱり。藍原さんだよね、おはよう」
「お、おはようございます……?」
「昨日は色々と瑞樹がごめんね」
「えっ、いや……西山くんが謝ることではない、です!」
まさか謝罪をするために私に声をかけてくれたというのだろうか。
何という心優しい人だ。友のために自分が謝るなど、そう簡単にはできないはずだ。
澪が西山くんのことで騒いでいた理由がわかる。私も断然も西山くん派です、今まさに西山くん派となりました澪!
今は隣に澪がいないため、心の中で叫ぶしかできないけれど。
「そうだ、今から藍原さんも学校に向かうんだよね」
「えっ……あの」
「一緒に行こう?」
「うっ……」
嘘偽りないキラッキラな笑顔を向けられ、眩しさのあまり顔を背けてしまう。
どうしよう、そんな風に誘われて断れる人間などいるのだろうか。