愛恋のキス




「やっぱりまだ高校生だし、早いっていうか……次のテストじゃダメ?」

「そんな可愛く頼んでもダメなものはダメ。俺だって散々我慢してきたんだし」

「……意地悪」

「大丈夫、そんな無理矢理はしないから。もちろん抵抗するなら俺も無理強いはしない。まあ汐音のことだから、受け入れそうだけどな。ただ恥ずかしいだけだろ?」

「うっ……」


 瑞樹はもう私のことをわかりきっているようで、彼の言葉に対して何も言い返せずに黙ってしまう。


「楽しみだな、春休み。いつ俺の家に来る?」
「……っ、そんな」


 もう決定事項のようで、乗り気な瑞樹が話を進めてくる。

 最初は私も粘ろうと考えたけれど、徐々にその気持ちも薄れていった。


 それは、キスの先を求めてしまう自分がいるという証拠である。


「まあ家以外にもどっか行くか」
「ほんと……!?」

「それにはすごい食いつきようだな」
「実は瑞樹と行きたいところがあって……」


 もちろんそれは瑞樹限定であって、彼となら……という思いである。


 始まり方は最悪で、嫌いだと思っていたし、絶対に好きにはならないと思っていたけれど。

 気づけばこんなにも瑞樹のことを好きになっていて、恋人関係になった今は本当に幸せな日々があふれていて。


 これからも瑞樹の隣にいたいと心からそう思いながら、自然と笑顔になって彼と行きたい場所を話していた。




END