愛恋のキス




「あー、何でそんなに可愛いんだ汐音は。急に素直になんのはマジで心臓に悪いから」


 そんなことを言われても……私にだって彼を想う気持ちがあるのだから、たまには言葉にしないと。

 いつもは冷たい言葉や可愛くない言葉を口にしてしまうけれど、本音は違うということも多い。


 そのため勘違いされないようにと思い、時にはこうして素直になろうと決めたのだ。


「好きすぎておかしくなりそう」
「おかしくって……ちょ、さすがに苦しい」


 霧谷の胸元を押して離れようとすると、彼は抱きしめる力を緩めてくれたことで、簡単に距離を取ることができたけれど。

 今度は二人の顔の距離が近くなり、やっぱり目を逸らしてしまう。


「また照れた」


 意地悪な声に笑み。
 
 霧谷の指が私の頬を撫でた後、ゆっくりと後頭部に手を添えられる。


 キスされるのだとすぐにわかった。