学校でも今みたいに霧谷に接してしまいそうで、引かれたりキャラじゃないと思われるのは嫌である。
わざと距離をとっているつもりなのだけれど、霧谷にはそれが伝わっていないらしい。
「……うん」
「まあ、確かに汐音も俺にベタ惚れだからな」
「ち、ちがっ……うくはないけど」
ベタ惚れという言葉はなんか嫌だ。
ただ彼が好きなだけであり、それ以上でも以下でもない……はず。
咄嗟に認めてしまった自分が恥ずかしくなり、霧谷から顔を背けた。
「……ふっ、認めんだ?」
霧谷は意地悪だ。
気が済むまで私の反応を見て楽しんでくる。
「だって、瑞樹が……好き、なのは確かだし」
恥ずかしい気持ちを必死で抑えて本音を口にする。これで霧谷も満足するだろうと。
けれど逆に彼は黙ってしまう。
「……瑞樹?どうし……きゃっ!?」
どうしたのだろうと思い、名前を呼んだ途端に彼は何故か私の背中に手をまわし、きつく抱きしめてきた。
さっきは離れろと言ったくせに何なのだと思ったけれど、嫌ではないため素直に抱きしめられておく。



