愛恋のキス




「本当に純粋だな。言葉だけでこんなに真っ赤になるなんて」

「う、うるさい……!勉強するから黙って!」


 恋人になったのだから、キスの先……も時折考えることはあるけれど。

 まだ心の準備はできていない。それなのに霧谷は平気で突っ込んでくる。


「そんなに俺のこと、名前で呼ぶのは嫌?」


 大人しく勉強しようと思ったけれど、霧谷が平気で邪魔をしてくる。

 さっきまで勉強しろって言ってきたくせに。



「嫌というか……恥ずかしい」

「もう俺たちが付き合ってるってこと、学校中に広まってんのに?」

「こう見えて噂とか気にしてるんだからね」
「今では俺が汐音にベタ惚れって噂?」


 噂というか事実だけどな、とこれまたさらっと認めてしまう霧谷。

 彼はそれでいいのかもしれないけれど、私の場合は止められなくなってしまいそうなのだ。