愛恋のキス




「俺は藍原ちゃんをこんな泣かせて、最低な人間だな」
「……っ」

「でも藍原ちゃんが俺のことを考えて泣いてると思うと、嬉しいって感情も湧くんだよな。なんだっけ?俺ともう関わらないほうがいい、だっけ?」

「……な、なんでそれを!?」


 大きな声を上げずにはいられない。
 私が泣き始めてから、澪と沙良に感情をぶつけていた時の話をどうして知って……。


「元々朝から沙良に、今日藍原ちゃんが家に来るから俺も来いって言われたんだよ」

「……沙良が?」

「そう。だから準備して向かおうとしたら、今度は沙良から電話がかかってきて。とったらスマホ越しに藍原ちゃんの泣き声が聞こえてきたんだ」


 つまり、もしかして……沙良は私が泣いている時から霧谷に電話を繋げていたというの!?

 恥ずかしくて、途端に顔が熱くなる。
 じゃあ私の醜い言葉も全部、霧谷は聞いていた……?