「大丈夫、汐音の気持ちは全部霧谷に届いてるよ」
「へ……」
澪の言っている意味がわからず、戸惑っている時だった。
「お待たせお待たせ〜」
先ほどよりもずっと明るい声で戻ってきた沙良に違和感を覚え、ゆっくりと彼女のほうを見ると、信じられない光景が視界に映った。
「……どう、して」
走ってきたのだろうか。
少し息が乱れている霧谷が視界に映っていて、まず初めにこれは夢だと思った。
きっと都合の良い夢、もしくは幻覚なのだと。
「あまりにも汐音が可哀想で呼んじゃった」
語尾にハートマークをつけそうな勢いで話し、笑う沙良。さらに澪にも「今の汐音は見てられないよ」と言われてしまう。



