深くは追求せず、私は一度だけ頷いて了承した。
「すごい。こんな場所があったんだ」
「綺麗だろ?」
やって来たのは霧谷の住む街の隣街にある、緑豊かな丘の上。
漫画やドラマで出てきそうなその場所からは、綺麗な街並みが一望できた。
「うん。良い場所だね」
思わず写真を撮ったけれど、やはり写真より実物のほうがずっとずっと綺麗だ。
「……昔、嫌なことがあるとここに来て忘れられるんだって教えてくれたんだ」
誰が、とは言わなかったけれど。
多分、敢えて伏せたのだと思うけれど。
霧谷にとって忘れられない彼女が教えてくれた場所なのだと簡単に理解できた。



