愛恋のキス




「ほら。こうやって私の行きたい場所に連れてってくれるし。中々いないよ、こんな動物巡りに付き合ってくれる人なんて」


 見た感じ、霧谷は動物が嫌いではないけれど、私ほど好きでもない様子だった。

 きっと付き合ってくれているのだろうけれど、何軒も動物カフェをまわるのに付き合ってくれる人など早々いない。


「藍原ちゃんだから俺はどこでもついて行きたいって思うんだ」

「私、だから?」

「ああ。それに動物と触れ合う時の藍原ちゃんを見るのが堪らないんだよなぁ」


 目を細めて、またどこか愛おしそうな顔をする。
 もしかして、私が意識をしすぎているだけで霧谷にとったら通常通りの表情なのかもしれない……なんて。


「どうして私なの?動物見ないと意味ないでしょ」
「俺は藍原ちゃん目的で言ってるようなもんだからなぁ」

 何だそれはと思わず突っ込みたくなったけれど、悪い気がしない自分がいたのもまた確かだった。