愛恋のキス



 仲良くしないでって言うくせに、妬けるとか期待しそうなことを言うくせに。

 それ以上は何も言ってくれない。だから私も、あえてその先には触れないようにするのだ。


「じゃあ連れてって」
「……え?」

「動物のカフェ巡りに行きたいから連れてって。一応、デートとして……」


 自分の口からデートという言葉を出すのはかなり恥ずかしかったけれど、テストの順位で敗れてしまった罰ゲームと思うことにする。

 少しの間、霧谷は反応をくれなくて不安になったけれど、彼は切なげな顔から途端に笑顔へと変わり、「りょうかい」とどこかおかしそうに笑っていた。


「ならどこに行きたいか決めるか」
「その前に宿題は……」

「あとで俺も手伝うから、今はデートの計画を立てようぜ」


 ダメだとわかっているけれど、その誘いについつい乗ってしまう。

 後から傷つくのは自分だとしても、今はただ二人の時間に浸っていたかった。