愛恋のキス




「なーに二人だけで盛り上がってるの?」
「あっ、沙良」


 沙良の声でハッとした。そういえば今いる場所は霧谷の家で、休憩中だったことを。

 つい西山くんとの話に夢中になり、すっかりここが家であることを忘れていた。


「そうだ!夏休みに動物カフェ行かない?」

 このままの流れで沙良を誘って、さらに澪とも動物カフェに行けば……全制覇は無理だとしても、癒しの場を求めて充実した夏休みを送ることができる。


「んー、私はいいかな」
「えっ、どうして!?」


 けれど沙良には断られてしまい、結構大きめのショックを受ける。

 もしかして沙良も動物アレルギーの持ち主なのだろうか。


「私よりもっと誘ってあげるべき人がいるんじゃない?」


 ふと沙良が視線を私から、私の隣へと移した。

 私の隣といえば霧谷しかいない。私も沙良に合わせて隣を見れば、相手はかなり機嫌を悪くしており、不機嫌なオーラが全開だった。