「チッ、男持ちかよ」
「先にそれを言えよ」
男たちはすぐに諦めたようで、私たちの前から去っていく。
「男持ちだってさ。俺たちお似合いなのかな」
安心したのも束の間。良からぬ霧谷の言葉に、過剰な反応を示してしまう。
いくら助けてくれたとはいえ、すぐにそういうことを言う神経がわからない。
「なんで何も答えてくんないの?」
「あんたが彼氏っぽく接してきたから勘違いもするでしょ」
「藍原さんって俺には厳しいよな。さっきの男の前では固まってたくせに」
「なっ……そ、そもそも何で毎回私の前に現れるの!?ストーキングしてるわけ!?」
違う、そうじゃない。まずはお礼を言わなければいけないというのに、感謝の言葉ではなくきつい言葉をぶつけてしまう。
「ストーキングってひどいな……藍原さんは何も知らないわけか」
「何が」
「この街で他校間でのトラブルが多いって」
「知ってますけど!」
「じゃあ他校の男子生徒が女子生徒狙ってナンパしてることは?」
「それは……」
「しかもしつこいって話」
他校間のトラブルは知っていたけれど、それ以外は何も知らなかったため、口を閉ざすほかなかった。



