「いきなり触らないで、危ないでしょ」
「まあそう怒るなって。ほら、早くやらないと時間がもったいないぞ」
「そんなあんたがやりなさいよ」
「そういえば、宿題なのに結構難しい問題も多かったなぁ。そん時は俺が教えてやるからな」
ニコニコと上機嫌に笑いながら話しかけてくる霧谷を見た私は、もしかして……と思った。
「もしかして、もうやったの?」
「ああ、全部完璧だな」
「それなのに今日、家に呼んだの……?自分はやることがないのに」
「藍原ちゃんにいつでも教えられるよう、予習がてらにやっただけ」
ここで私の名前を出されたところで何も嬉しくはない。
宿題が終わっているということは、霧谷は何もしなくていいということだ。
つまり彼はまた、以前図書室で勉強した時のように私のほうばかり見てくるかもしれない。



