愛恋のキス




「つまり2年になってからは汐音だけか」
「えっ……」


 一瞬、私の考えていることが沙良に伝わってしまったのかと焦った。

 沙良はニヤニヤを私を見ながら笑っていた。


「私は汐音と西山くんに頼まれたから行っただけで……」

「確かに2年になってからは藍原ちゃんだけしか家に上がってないな」

「そもそも2年になってからは相手いたことないんじゃない?」


 きっと沙良は何気なく霧谷に質問したのだろうけれど、私は過剰に反応してしまう。

 2年になってからということは、1年の時は……なんて一人で勝手に想像しては落ち込む私。


「そりゃあな。2年になってからは藍原ちゃんばっか追いかけてるし」


 追いかけてるって、追いかけられている身にもなってほしい。

 最初はこの上なく迷惑だったし、霧谷のせいでどれほどよからぬ噂が流れたことか。