「もちろんだよ」
ここで断れば、子犬のようにシュンと落ち込んでしまうのは目に見えている。
私には受け入れる選択しか残っておらず、もしかしたら霧谷より接し方が大変かもしれない。
霧谷とは比べ物にならないほど優しいし、爽やかな笑顔が眩しくてかっこいいけれど、そんな西山くんにはゾッコンな相手がいるとは驚きだった。
正直今でも信じられなかったけれど、西山くんと肩を並べられるほど可愛い子なのだろうと思った。
「実は今日、藍原さんに相談したいことがあるんだ」
最初は耳を疑った。西山くんが同じクラスメイトでもない私に何を相談するのだろうと。
「私でよければ……!力になれるかはわからないけど」
西山くんの相談に対して的確に答えれる自信はない。それでもまずは西山くんの話を聞こうと思った。