愛恋のキス




 そんな西山くんと1.2を争っている相手が霧谷なんて信じられない。圧倒的に西山くんが上をいって当然だろうに。


「藍原ちゃんって春哉に関しては絶賛だよな」
「……なに」

 少し霧谷の声のトーンが落ちた気がして隣を見ると、彼は私を見て不満気な顔をしていた。


「いや、少し妬けるなって」


 不覚にもキュンとしてしまった。
 まさか霧谷にも可愛いところがあると思う日が来るなんて。


「妬けるって……それなら態度を改めるべきでしょ」
「そうだなぁ……」


 そうだなぁって、軽く流すだけで真剣に聞く気はない様子。

 それ以上私からは何も言わず、再び問題を解くことにした。


 けれどその後も難問が続き、頭を悩ませる私。

 そう何度も霧谷に聞くのは躊躇われる。自力で解決したいなと思っていると、突然彼の左手が私の右手に添えられた。


「次はどこがわからないんだ?」
「……っ!?」


 先ほどよりもグッと顔を近づけてきて、わざと息がかかるように耳元で話しかけられる。

 くすぐったくて肩がビクッと跳ねてしまう。