愛恋のキス




「……ほら、もう一回説明するからよく聞くんだぞ。集中力のない藍原ちゃんって珍しいな」


 少し身構えたけれど、霧谷は再び問題の説明をしようとしてくれた。

 私に関しては深く指摘することなく、集中力のないという一言で済まされた。


 いつもなら絶対に指摘してくるのに……と思ったけれど、とりあえず助かった。

 次こそは問題に集中しようと思い、霧谷から視線を外す。


 霧谷の説明は本当に上手く、わかりやすいものだった。

 賢くて教えるのも上手いだなんて。これはかなり将来が有望だろうと思ったり。


「おっ、正解正解。藍原ちゃんってかなり理解力が高いよな」

「霧谷が教えるのが上手いだけだと思うけど……先生でも目指してるの?ってぐらい」

「まさか。春哉でも難問を理解して解く時はかなり時間を要してるし」

「西山くんにも教えてるんだね」
「まあな。それでも藍原ちゃんのほうが上だけど」

「西山くんは勉強以外も完璧だし、私より断然上だから」


 成績優秀、スポーツ万能のうえ、容姿や性格までも完璧だ。