愛恋のキス




「それにしてもさ、藍原ちゃん。もしかして俺に嫉妬してくれてんの?」

「……っ、はぁ!?あり得ないから!」


 嫉妬なんてあり得ない。ましてや相手は霧谷だ。この私が嫉妬などするはずがない。

 全力で否定するけれど、なぜか霧谷は嬉しそうに笑ってくるから腹立たしい。




「そっか。でも安心して、俺の頭の中は藍原ちゃんでいっぱいだから」


 嘘だとわかっているのに、その言葉を聞いて恥ずかしくなる自分がいた。

 忘れるな、霧谷の心には過去に付き合っていた人がいるということを。


「じゃあ図書室行くか。人が少ないといいな」
「私は多いほうがいい」

「そんなこと言うなよ。俺はできれば二人きりの空間で勉強したいくらいなのに」

「……最低」


 すぐそうやって私を誘おうとする。
 霧谷は手を出すことしか頭にないというのか。