私は嫌がっているというのに、沙良はいつでも霧谷の肩を持つのだ。
「へぇ、ちゃんと行くんだね」
「本当は帰りたいけど……来るって信じて待たれても困るし」
「汐音って優しいというか真面目というか、瑞樹のことを嫌い嫌いって言いながらも、ちゃんと相手のことを思いやってるよね」
「いや、霧谷のことを思いやるわけないでしょ」
「うーん、だから無意識なのかな。まあ本気で嫌とは思ってない部分もあるのかもね」
なぜか確信したような笑みに、思わず黙ってしまう。決して図星ってわけではないけれど……全力で否定もできない。
無理矢理勉強すると決められたと思っていながら、本気で嫌という感情が湧いていないのもまた事実だった。



