愛恋のキス







 放課後、ホームルームを終えた教室は生徒たちの声で騒がしくなっていた。


 本当に今日、霧谷と勉強をしなければいけないのだろうか。

 沙良はきっと来てくれないだろうし、澪も事情を話したところで逃げられるだろう。


 もしかしたら霧谷は堀田くんや西山くんを連れてくるかも……と思ったけれど、その希望も薄い。

 いっそのこと帰ってやろうか。
 けれどもし霧谷が私を来ると信じて待っていたら……と思うと、その選択は躊躇われる。


「汐音、今から図書室に行くの?」

 仕方なく立ち上がって向かおうと思った時、上機嫌な沙良に声をかけられた。


「……うん」


 上機嫌なのは私と霧谷が二人で勉強すると知っているからだろうか。

 そうだとしたら、かなりひどいと思うのだけれど。