愛恋のキス





「う、うるさい……!」


 その笑顔を見て不覚にもドキッとしてしまう自分がいて悔しくなる。


「じゃあ今日、どこで勉強するか?教室か図書室か」
「どっちも嫌」

「てことは俺の家?」

「もっと無理!第一どうして霧谷と勉強しなきゃいけないの!」


 私と勉強する前提で話されても困る。


「でも沙良や藍原ちゃんの友達とは今回も約束してんだろ?」

「私たちは明日する予定だから、今日は汐音空いてると思うよ」

「ちょ、沙良……!」
「おおっ、じゃあなおさら今日でいいな」


 何この連携プレーは。私の味方をしてくれない沙良は本当にひどい。


「二人だと周りから誤解されるかもしれないから、沙良も一緒に……」

「人目が気になるなら図書室だな。じゃあ放課後、図書室に集合で」

「待っ……なに勝手に」
「それとも本気で俺の家がいいか?」


 意地悪そうに笑う霧谷を見て、この間の家でのことを思い出した私は、また恥ずかしくなって何も言えなくなってしまう。

 さらにチャイムが鳴ったことで、拒否する前に霧谷は自分の席へと戻ってしまった。