愛恋のキス




「だってさ瑞樹」

「真っ向から否定は悲しいな。俺たち、ただのクラスメイトの関係を超えたのに」

「なっ……!?」
「なになに、やっぱり何かあったんでしょ!?」


 どうしてこいつは……わざわざ言う必要があるのだ。これ以上は何も言うなと無言の圧をかける。


「いや、これ以上話したらまた藍原ちゃんのビンタを喰らわせられるから無理だな」

「えっ……汐音、瑞樹にビンタ喰らわせたの?」


 霧谷の言う通りだ。

 霧谷にキスをされた私は、その事実に気づくや否や『最低』だと叫び、反射的に彼の頬を目掛けて平手打ちしていた。


 素直に頷くと、途端に沙良は笑い出してしまう。笑い事じゃないというのに。