2年になって二度目のテスト期間が訪れた日のこと。
「藍原ちゃん、今日は俺と一緒に勉強しよーぜ?」
「……」
「無視は一番辛いんだって」
「……うるさい」
休み時間にしつこく絡んでくるのは他でもない、霧谷だった。
私が家に行って以来、彼は休んだりサボったりすることなく学校に来て授業を受けていた。
それはまあいいとして、私は怒っているのだ。
なぜなら家に行った日、霧谷は帰る間際になって私に……。
「……っ」
思い出しただけでも恥ずかしくて顔が熱くなる。同時に苛立ちも覚え、目の前の男が許せない気持ちでいっぱいだ。
初めてのキスがあんな形で奪われるなんて。しかも本人は全く反省している様子はない。