ここは私と同じ高校の生徒がよく訪れる街にあるカラオケ店のため、同じ制服を来た人たちがいるのは何も珍しくない。
ただ見るからに背丈が高そうな人物像に、先輩かなと思ってしまう。
あまり近くで並ぶと催促されていると思われたくないし、ここは絡まれないためにも一定の距離を空けておきたい。
万が一私の悪い噂を知っていたら、笑われるかもしれない。そんなの恥ずかしすぎる。全ては霧谷のせいで……と思った時だった。
前にいる男子のうち、左側に立つ人の髪型というかシルエットにどこか見覚えがあるような、ないような。
何となく嫌な予感がして一歩後ろに下がったのとほぼ同じタイミングで、ドリンクを入れ終わったであろう左側の男子が振り返った。
「……あれ、藍原さん?」
「……っ」
綺麗な二重の線が入っている目を見開かせ、驚いた様子で私を視界に捉えたのは、苛立つ原因の素である霧谷だった。



