愛恋のキス




「あー、でも藍原ちゃん、そろそろ帰らないとだよな。すぐ帰るつもりで来たって言ってたし」


 一瞬、早く帰ってほしいのかと思っていたけれど、霧谷は私の腰に手を添えて身を寄せてきた。

 それを見て帰ってほしくないという意思表示なのかと思い、私は自分のスマホを取り出した。


 過去の話しをして、より鮮明に過去のことを思い出したはずだ。

 今は誰かといたいと思うこともあるだろう。


「藍原ちゃん?スマホ取り出してどうし」
「親に連絡」

「えっ……」
「寄り道するから遅くなるって」


 さすがに無断で遅くなってしまうと心配させるかもしれないため、連絡はしておく。


「それって……」
「そういえば霧谷、料理できるんだよね」


 宿泊行事の時に言っていたはずだ。家事はできるし自炊もしているって。