「初めて付き合った彼女のことがずっと忘れられなくて……多分これがいつも別れる原因。誰と付き合っても彼女のこと思い出して、無意識のうちに重ねたり比べたり。付き合った相手も嫌だよな、自分のこと見てくれないって思われて当然」
どうやらこれが澪の話していた噂の源だったようだ。私は何も知らずに霧谷を軽い最低な男だと勝手に決めつけていたけれど、彼なりに苦しんでいたのだ。
「なら付き合うなよって話だよなぁ。逃れたくて誰かに縋って、結局彼女のことを忘れられなくての繰り返し。自業自得なんだけど」
自嘲気味に笑う霧谷に対し、私は何も言葉をかけてあげることができない。
私はあまりにも彼のことを知らなさすぎたようだ。
「あの頃の俺は本当に鈍感で、俺が原因で彼女苦しめてるとは夢にも思わなかったな」
わざと明るく聞こえるように話して、実は無理しているくせに。



