「迫ったら怯んで照れるところとか、デートした時は俺にも笑った顔を見せるし、本当にズルいよなぁ」
「そ、そんなこと言っても騙されないから」
「騙す気なんてないから大丈夫。ただ思った以上に藍原ちゃんの存在が自分の中で大きくなってて、正直俺もびっくりした」
ここ最近になって気づいたこと、と本当かどうかを疑いたくなる話をする霧谷。
「だからこそ余計にダメージが大きかったんだろうな」
「……え」
「俺さ、これまで結構な数の女子と関係持ってきたけど……誰と付き合っても忘れられない相手がいるんだ」
ベッドの側面に背中をくっつけながら、一度天井を仰いで話し始めたのは霧谷自身の話。
ただ黙って話を聞いてほしいかもしれないと思った私は、口を閉じて何も話さない選択をとる。



