「今年はいけると思ったんだけどなぁ」
「え、何が?」
「瑞樹のことだよ」


 そんな毎日が1ヶ月以上続いた時だった。移動教室からの帰り道に、ふと沙良がため息を吐いて、霧谷のことを話題に出した。

 あえて触れないようにしているのかなと思っていたけれど、相当気にしていたようだった。


「確かに最近よく休んでるね」

「今年は汐音がいて大丈夫だと思ってたんだけど……汐音とデートしだ時に無理だと判断したのかなぁ」

「無理……ってことは、原因は私?」
「あー、違う違う。瑞樹の精神的問題だよ」


 霧谷は今日で3日連続休んでいるけれど、精神的問題って本当に大丈夫だろうか。

 その心配が沙良に伝わったのか、「そこまで心配すふ必要はないよ」と言われてしまった。


 まるで霧谷のことを気にかけているようで、少し恥ずかしい。