愛恋のキス




「ふはっ、やっぱダメだったか。なら次のテスト終わりで」

「何、その次も私が負けるような言い方」
「だって負ける気がしないからな」


 勝ち誇った笑みに腹が立ち、わざと手をきつく握ってやるけれど、全く痛そうにしない。


「必死だな」
「ムカつくからね!」

「それが藍原ちゃんの全力?全く痛くないけど」


 クスクスと笑われてしまいムキになっていると、霧谷が一度私の手を離し、今度は指を絡ませながら手を握ってきた。

 力強く握っていたはずなのに、あっという間に解かられてしまい、自由に扱われる私の手。


「ほら、これが俺と藍原ちゃんとの力の差」
「……っ」


 指を絡ませて、意地悪そうに笑う霧谷。
 いわゆる恋人繋ぎというものをされ、頬が熱を帯びるのがわかる。

 手慣れている霧谷に対し、いかに自分が慣れていないのかを思い知らされ、恥ずかしくなった。