愛恋のキス




 沙良や霧谷は、そんな西山くんを見て呆れたようにため息を吐いていた。


 あれ、もしかして西山くんって霧谷よりもやばい人……だったりするのだろうか。

 澪も少し……いや、かなり驚いている様子。私も同じ気持ちである。


「そういえば、霧谷も今フリーなんだよね?」

 どこか微妙な空気が流れており、気まずいと思ったのだろう。澪は西山くんから視線を外し、今度は霧谷に話の焦点を当てていた。


「もちろん。俺は藍原ちゃんで頭がいっぱいだから」
「大迷惑だから他の女子にしてくれない?」

「んー、それは無理な願いかな」


 ニコニコ笑っているけれど、その笑顔に全身がゾワッとした。まるで肉食動物に獲物の標的にされたような気分だ。