「へぇ、じゃあ俺が勝ったらデートしてくれるって約束でいい?」
「望むところ……って、え?」
けれど霧谷の口から出た言葉は予想外のもので。思わず聞き返してしまった。
「ん、じゃあ決まりだな。藍原ちゃんが勝ったら俺が土下座でもして謝って、俺が勝ったら藍原ちゃんとデート。これは頑張るしかないなぁ」
「ちょっと待って、デートって何!?」
「二言はナシだからな。それに嫌なら勝てばいい話だろ?」
慌てて訂正を求めたけれど、その勝ち誇った笑みに腹が立ち、結局その条件を受け入れてしまった。
その様子を見ていた堀田くんと沙良に笑われてしまったけれど、私は霧谷に馬鹿にされたままで終わらないよう、死ぬ思いで頑張るんだと強く決心した。