「藍原ちゃんってトランプでも俺に勝てないんだな」
「……次こそは」

「負けゼリフだよ、それ」


 私だけではなく、沙良や堀田くんも霧谷に負けているというのに、あえて私だけに言うのが本当に腹が立つ。

 思わず手に持っているトランプを投げつけたくなったけれど、必死で我慢した。


「何をやっても俺には勝てないって、なんか可哀想だな」

「ば、バカにしないで!今度のテストは絶対にあんた抜かして一番になるから!」

「それはどうかなぁ」

「勝ってあんたに私を馬鹿にした発言全部、謝ってもらうんだから!私を馬鹿にしたこと、後悔させてやる!」


 今回こそ一番になってやる。このまま負けっぱなしで終わってたまるか。

 霧谷の前で堂々と宣戦布告したけれど、きっと彼は鼻で笑ってさらに私を馬鹿にするはずだ。