「えー、黙るのかぁ」
「瑞樹、もうその辺にしてやれよ。藍原ちゃんが可哀想だ」
ここで救世主のように、堀田くんが間に入ってくれたおかげで霧谷が私を離してくれる。
「……あれ、藍原ちゃん顔赤くなってねぇ?」
「なってない!」
にやにやと笑いながらからかってくる霧谷。顔が熱いのはお風呂上がりのせいにして、パタパタと手で顔を仰ぐ。
「本当に瑞樹って汐音をからかうのが好きよね」
「だって反応が毎回可愛いからさ。やめらんないんだよ」
普通、こんなにも嫌がっている相手にここまでやるだろうか。
霧谷の神経を疑いたくなる。じっと睨んでやるけれど、彼には一切効果なしで、むしろ笑顔を返されてしまう。
「……っ、帰る!」
「ダメ、帰んないで藍原ちゃん」
帰ろうと思い立ち上がれば、霧谷に腕を掴まれてそれを制されてしまう。
もう十分反応は楽しんだだろうに、これ以上何を求めているというのだ。



