「それは貴方が原因でしょ?」

 笑顔、笑顔と心の中で連呼するも、徐々に口角がピクピクと痙攣している。


「まあそんな怒んないで、これも何かの縁だし仲良くしない?」


 そんな怒るな、何かの縁だし仲良くしよう……?

 この男は自分がどれほど酷い言葉を口にして、私のプライドを傷つけているのか自覚していないのだ。


 すでに我慢の限界を超えている。
 さすがの私も笑顔を保ち切れず、ついに霧谷を鋭く睨みつけた。


「怒んなって、あんたが余計なこと言うからでしょ!!人を見下すような発言がほんっとにムカつくの!!誰があんたと仲良くなるかバカ!!」


 堪えていた怒りを相手にぶつけようと思ったけれど、私の声は教室いっぱいに響いてしまった。

 さすがのこれには霧谷も予想外だったようで、驚いたように目を見開いている。


 その結果、新たな担任の先生が教室に来るまでずっと気まずい空気が流れていた。