「拓海くん…」

ママは便箋を胸で抱きしめた。

「6時50分だなんて…
その24時間後に…
息を引き取ったのに…」

ママはその場に泣き崩れた。

パパがしゃがみ込んでママを抱き抱える。

「どうして死ぬ事がわかってるならバイクに乗ったのよ!
何の為にむっちゃんが忠告しているのか、わからないじゃない!!」

ママは号泣していた。

多分、ママが一番。

拓海くんを失った悲しみを抱えていて。

今も苦しんでいる。



パパの事も大好きだけど、拓海くんの事も大好き。



ママの中では。

ひょっとしたらパパよりも拓海くんの方が好き、なのかもしれない。

昔も、今も。