小さな勇気

ホームルームが始まる。

先生が簡単に連絡事項を伝えてくれる。

今日は、その言葉がほとんど入ってこなかった。


緊張で手汗がすごい。

机の下で震えている足。

先生からの連絡事項が終わると、私の名前を呼ばれる。



「はい」



と、席を立ち、クラスメイトの前に立つ。
私はひとつ深呼吸をして、自分の思いを話し始めた。

時折視線が合うクラスメイト。

つまらなそうに頬杖をついているクラスメイト。

興味なさそうに欠伸をしているクラスメイト。


大半は、私の言葉に興味はない、という感じだった。


それでも。



「聞いてくれて、ありがとうございました」



私はクラスメイトに頭を下げる。

私のために、時間を取ってくれてありがとう。


気がついたら、足の震えは止まっていた。