「愛華ちゃん、久しぶりだね」

「うん。一ヶ月ぶりだよね?元気にしてた?」

奏多ははしごを登ってベランダに立つと、駆け寄ってきた女性ーーー愛華を強く抱き締める。愛華も奏多の背中に腕を回し、二人は久しぶりに会えたことに心から喜んでいた。

「ねえ、久しぶりだから……」

愛華がとろけた目を奏多に向けた刹那、唇が重なる。何度かキスを交わした後、奏多は愛華を抱き上げ、大きくて可愛らしい天蓋付きのベッドの上に下ろした。そしてまた唇が重なる。

「優しくするね?」

奏多が愛華の手に自身の手を重ねると、愛華は「甘いことしか好きじゃないの」と答える。二人は頬を赤くして、これから始まる時間に胸を高鳴らせた。

本当は奏多はここにいてはいけないことをわかっている。愛華と会っていることがバレてしまったら、今度は殴られるだけでは済まないだろう。

しかし、誰に反対されてもこの想いだけは互いに捨てられないのだ。だからこうして夜に会って愛を確かめ合う。