「俺が、これからもずっと君を守る!だから俺と結婚してください」

愛華の瞳が揺れ、涙がこぼれ落ちる。奏多は驚いて「えっ?愛華ちゃん?」と訊ねると愛華に抱き付かれた。

「とても嬉しい!ありがとう」

プロポーズが成功したことに奏多は嬉しくなり、愛華を優しく抱き締める。そして二人は優しいキスを交わした。

「俺、イタリアでヴァイオリン職人として働くことが決まったんだ。俺の叔父さんが会社を経営しててさ。一緒にイタリアに行こう。フィレンツェに素敵な教会があるんだって。そこで式を挙げて暮らそう。贅沢はあまりさせてあげられないかもしれないけど」

奏多がそう言うと、指輪を薬指にはめた愛華は「奏多くんがいてくれたら、私はそれで幸せよ」と微笑む。

そして二人は手をしっかりとつなぎ、悲劇の恋にしないために夜へと駆けて行った。