雨は君に降り注ぐ


 私は、順を追って、涼介先輩にこれまでのことを話した。

 現在進行形で、ストーカー被害にあっていること。
 ストーカーは、黒フードをかぶった男だということ。

 私のストーカーと、瑞葵さんを殺した黒フードの人物は、同一人物なのではないかという私の考え。

 ひと通り話し終わると、涼介先輩は、ふっと表情をゆるめた。

「吉岡さん…もっと早くに相談してよ。」
「えっ?」
「ストーカーのこと。悩んでたのなら、早くから相談してほしかったな。」

 そう言って、寂しそうに笑った。
 涼介先輩って、どこまで後輩思いなんだろう。

「他の人には、このこと話してあるの?」
「いえ、涼介先輩が初めてです。」

 涼介先輩は、今度は楽しそうに笑う。

「そっか。話してくれて嬉しいよ。」

 そして、今度は真剣な表情になる。

「…それで、吉岡さんはなんで、そのストーカーがこの大学にいると思うの?」
「それは……私、毎日手紙が送られてきているって言ったじゃないですか。」

 涼介先輩は、優しくうなずく。

「そこに写真が同封されていることがあって、その写真が…この大学に自由に出入りできるような人じゃないと、撮れないようなものばっかりで…。」
「具体的には、どんな?」

 私は一瞬、答えるのをためらった。

「ほとんどが、私の写真です。この大学の食堂とか、体育館で撮られたものが多いです。」

 涼介先輩や理子の写真も撮られている、ということは、言わないでおいた。

 涼介先輩は、腕組みをして、真剣に何かを考えている。
 やがて、重々しく口を開いた。