一、二、三、四、五――。



振り返ることなく、ペダルを踏み込む。



六、七、八――。










翔の家のドアが閉まる音を聞くなり、

交差点でブレーキを握る。




呼吸を整える。





「せんせい」





呟く。










「私、どこに帰ればいいのかなぁ」