「お前、いくらなんでも二週間は休みすぎだべ」


「だから、風邪ひいてたんだって」


「うそこけ」



始業時刻をとっくに過ぎてから、急に迎えに来た翔と、いつものように二人乗りして学校へ向かう。





母は私をおいて、早々に出て行った。



何も選べない私は、何も選ばず、ただ家にいた。





「どーでもいいけどさ、そういえば今日、お前の誕生日じゃね?」



いつになく乱暴な口調で翔が言う。



「そうだっけ?」


「そーだよ。俺も忘れてたけどな!」


「なによそれ」





ゆるやかな上り坂に、少し息を荒げながら、翔は続ける。