グッチは毎日学校に来ていた。



彼女の香苗に、浮気されていたにも関わらず。





「グッチえらいよねぇ」


夏はとうに過ぎたのに、またファンデの色を黒くした直実が、私に向かってつぶやいた。



「だねぇ」


「にしてもまさかあの香苗がね。

信じられないよ」



裏切られたグッチに気を使ったのだろう。

顔をよせて、小声でささやく。





本当はそんな話、私だって聞きたくなかった。



だけどそんなこと、誰かに言えるわけもない。





「だねぇ」