(松沢、なんか頭薄くなってない? リーブ松沢w)

古典の教科書に手元を隠してメールする。別に、見つかったって平気だけど、ますます生え際が危うくなってきた松沢先生への、せめてもの同情のつもりだった。

斜め前の席の翔が、ぷっと吹き出し、身体を震わす。

(おま、リーブはねーって。せめてプロピアだろ)

(いっしょじゃんw)

誰も聞いていない授業。


常に少しざわついている教室。


いつもと何も変わらないけど、




真理子は今日も来ていない。