「なにそれっ!」

画面をにらみ、言ったのは、黒めのファンデを塗ってる直実。



「えーなになに、見せて」

ショートカットの似合う、長身の惠子が、横から携帯を覗く。



「どうしたの? 真理子」

ゆっくりとお弁当を口に運ぶ、肌が白くて、お人形みたいに目がパッチリしている香苗に、教えてあげる。


「……デキたんだって」


「ありえないよね!」

私と香苗の間を割って、惠子が騒ぐ。



「ありえねーっ!」

直実が叫ぶ。


「できたってぇ? なにがぁ?」

わかってるくせに、香苗がとぼける。






昼休み。





騒がしすぎる教室の中で、みんなで囲んで化粧を直す。