君をトリコにする方法

「つーかこれでも我慢してんだけど」

「え？」

「キスいやなの」

「い、いやじゃないけど」

「じゃあいいじゃん。俺も悪いけど希帆も悪い」



そう言ってまたちゅっとキスされる。


瞬が話したことをちゃんと考えて整理したいのに、もうそれどころじゃない。


少し落ち着いていた空気がまた甘くなる。



「んっ……んぅ」



唇に何度もキスされて息が苦しくなってくる。


まって、こんなのいつ息吸えばいいの？

そんなことを考えているうちにもっと苦しくなってくる。


トントンと瞬の胸板を力なく叩くと、少し不満げな顔をしながらも離れてくれた。



「は、ぁ……すとっぷ、まって」

「鼻で息すんだよ」



むぎゅっと鼻をつままれる。


わ、わかってる！

わかってるけど無理なものは無理！


こころの中で文句を言いながら息を整える。