「えっ、やばすぎ人多すぎ」
「もうめっちゃ後ろしか席空いてないね。前で見たいし次の時間のやつにする?」
「そうしよー」
楽しそうな女の子さんにん組がそんな会話をしながら私たちとすれ違う。
彼女たちの言う通り、イルカショーの会場はたくさんの人でいっぱいだった。
前列から中列はもう満員で、後列は人がぽつぽつといる感じだ。
大きな会場だし、後ろはやっぱり見えにくいだろうなあ。
でも。
「どうする、次の時間まで待つ?」
「ううん、後ろの席でいいよ」
「いいの?あんな楽しみにしてたんだし前で見たいだろ」
「いいの」
「……希帆がいいならいいけど」
だってちゃんと謝りたいから。
歩きながらじゃなくて、座って話したい。
段差を降りて少し歩いて、端っこの席へと腰掛ける。
近くに人はいなくて、楽しそうな笑い声も話声も遠い。
水の匂いがする空気をすっと吸い込んだ。
「もうめっちゃ後ろしか席空いてないね。前で見たいし次の時間のやつにする?」
「そうしよー」
楽しそうな女の子さんにん組がそんな会話をしながら私たちとすれ違う。
彼女たちの言う通り、イルカショーの会場はたくさんの人でいっぱいだった。
前列から中列はもう満員で、後列は人がぽつぽつといる感じだ。
大きな会場だし、後ろはやっぱり見えにくいだろうなあ。
でも。
「どうする、次の時間まで待つ?」
「ううん、後ろの席でいいよ」
「いいの?あんな楽しみにしてたんだし前で見たいだろ」
「いいの」
「……希帆がいいならいいけど」
だってちゃんと謝りたいから。
歩きながらじゃなくて、座って話したい。
段差を降りて少し歩いて、端っこの席へと腰掛ける。
近くに人はいなくて、楽しそうな笑い声も話声も遠い。
水の匂いがする空気をすっと吸い込んだ。



