「……瞬、ありがとう」


「ん。あ、でも瑞稀だけには言っちまったんだよな、ごめん」


「全然いいよっ、吉川くん言いふらしたりしないだろうし……私の方こそわがまま言ってごめんね」



謝ると顎をくいっと引き上げられて、おでこにちゅっとキスされた。



「っえ!?な、なんでちゅー……!」



顔が赤くなってるのが自分でもわかる。


さっきまでの気分が吹き飛んで、心臓がドキドキとうるさいくらいに鳴る。



「お前に暗い顔とか似合わない」

「ええっ、別に暗くないですけど!」



いつものように言い返すと、瞬がははっと楽しそうに笑う。



「そんな真っ赤じゃ教室に戻れないな」

「そっ、んなことないもん、全然戻れます!」



教室に帰ろうとすると、腕を引っ張られて止められる。



「バカ。そんな顔俺以外に見せんなよ」

「へっ……!?」




待って、瞬ってそんなキャラだったっけ!?

いや、付き合ったらそうなるものなのかな!?

もうドキドキしすぎて爆発しちゃいそうだよ~っ!



恋人になったら、今までと変わらずずっとそばにいれると思ってた。


実際、変わらず瞬の隣にいれてる。

だけどこんなのは考えていなくって。


付き合って2日目、もうすでにドキドキの限界がきていた。