「っ……んぅ、は……」



幸せなのにこんなに苦しい。

もっと触れたいのに、もうこれ以上は触れたくないって矛盾した気持ちがぐるぐるまわる。



「……希帆、好きだよ」

「っ……」



そして、もっと触れたいっていう方にメーターが振り切ったとき。



「んっ……!?」



唇を合わせたまま舌でぺろりと舐められて、思わず体がビクッと反応してしまう。


瞬の熱っぽい瞳と目が合ったとき、コンコンとノックの音が響いた。



「いって……!」



心底びっくりして焦って、瞬と離れるためげしっと足で蹴ってしまった。


ごめんと謝る暇もなく、ガチャっと扉が開く。



「あ、希帆ちゃん!やっぱり来てくれてたんだね、いらっしゃい」


「お、お邪魔してます!」


「いえいえ~。希帆ちゃんならいつでも大歓迎だからね」



扉を開けたのは瞬のママだった。


もしかして今お仕事から帰ってきたのかもしれない。

瞬に夢中になって全然気づかなかった……!